最近、車の事故が多くのメディアで注目を集めていますね
車好きの私からすると、どれも悲しい事故ばかり
特に、最近起きた保育園児が巻き込まれた事故
私の子供も同じぐらいの年なので他人事じゃないなと思いました
教習所でまず最初に「車は凶器」という事を教わっていると思いますが
みんなその意識が薄れているように思います
最近の車は運転を「補助」する機能が沢山搭載されていますが
あくまで「補助」であって「おまかせ」できるものではありません
改めて、楽しく豊かなカーライフを送るために気を引き締めましょう
1. 車はすぐには止まらない
これは誰でも知ってますね
でも具体的にどれほどの距離が必要なのか、パッと答えられる人はすくないと思います
まず、車を止める為に必要な「距離」の内訳として2種類あるのは覚えていますか?
- 空走距離
- 制動距離
忘れてしまっている方は1つずつ振り返りましょう
空走距離
これは頭でブレーキをかけようとしてから
実際にブレーキが効き始めるまでに進んでしまう距離です
どんなに反射神経の良い人でも
アクセルペダルからブレーキペダルへ足を移す時間
ブレーキペダルを踏みこんでから実際にブレーキが効き始めるまでの時間
というように、コンマ数秒間の空走距離が発生してしまいます
若いから大丈夫とか、運転に慣れているから大丈夫なんて思っていたら大間違いです
具体的に距離を計算してみましょう
前提
・60 km/h で走行中に急ブレーキをかけようとした
・ブレーキが効き始めるまでに0.3秒要した
計算
時速から秒速へ換算
60 km/時 ÷ 60 分 = 1 km/分 →1 km/分 ÷ 60 秒 ≒ 0.0167 km/秒
およそ 17 m/秒
17 m/秒 × 0.3 秒 = 5.1 m
アルファードの全長が5m弱なので、ミニバン1台分ぐらいは進んでしまうという事になります
制動距離
制動距離を計算するには
- 車の重量(乗車人数含む)
- ブレーキ性能
- タイヤのグリップ性能
- 路面の状態(乾燥、濡れている)
上記のような様々な要素によって影響を受けるので一概に計算するのは難しいです
乾燥した路面を 60 km/h で走行した場合、20 m 程を要すると思っておきましょう
停止までに要する距離
これまでの数字を並べると
- 空走距離 約 5 m
- 制動距離 約 20 m
これに加えて、「ブレーキをする」と判断・反応する時間(空走距離)が発生するので
およそ 30 m を要するとしましょう
30 m と聞いてピンときますか?
片側2車線の交差点を通過してしまう程の距離です
こうやって数字で見ると
危ない!と思ってからブレーキをかけても
間に合うとは思えませんよね
2. 危ない!と思った時にやってはいけない事
計算して停止するまでにかなりの距離が必要だとわかりました
こうなると、「止まれない」なら、「避ける」事を考えてしまうんですよね
急ハンドルで回避
これは絶対やらない方が良いです
最悪の場合、横転して更に被害が増します
反射的にハンドルを切って回避しようとする気持ちはわかりますが
先程求めた制動距離はタイヤ4本がきちんと路面に設置している前提です
スピードが出ている状態で急ハンドルを切ると
タイヤ4本に均等な圧がかからなくなります
例えば、ハンドルを左に切った場合
右前方のタイヤに荷重が集中して
逆に左後方のタイヤの荷重が抜けてしまいます
こうなると、制動距離は伸びてしまうわけです
「早く止まりたいなら真っ直ぐ止まる」が一番安全で早いです
(ちょっと怖いですけどね)
3. 常に最悪を想定して運転する
気付いてからブレーキ!では遅いという事がわかり
早く止まりたいなら真っ直ぐ止まるのが一番良いとわかり
え?じゃぁ真っ直ぐ突っ込めって事?
となる人が出てきそうですが
そもそも車を運転する際には常に最悪を想定して運転した方が安全です
他の車に期待してはいけない
例えば、見通しの良い交差点で左から車が合流してきそうな場合
自分が優先だと思って速度を緩めないで直進したら
左からの車が急加速して合流してきた
こういうケースはよくあると思います
これは「向こうの車からもこっちが見えてるし、自分が優先だから出てこないだろう」という
楽観的な判断が招くヒヤリハットです
「~だろう」ではなく
「~だったらマズイ、それなら~しておこう」
という考えで運転すると、多くの場合ヒヤリハットを回避できると思います
心にゆとりをもって 優しい運転を
改めて振り返ってみてどうでしたか?
私たちの生活を便利で豊かにしてくれる車ですが
やはり危険な乗り物であることも間違いありません
「自分が自分が」という気持ちをぐっと抑えて
「人に優しく」と心に余裕をもって運転しましょう
私はバイクで3回事故を経験していますが
どれも心に余裕が無かった時に起きたものでした
交通事故が少しでも減ることを祈っています